今回はバングラディッシュに隣接するヤカイン州の、古代都市ミヤウの遺跡の話である。その前に、ミヤウは英語表記でMrauk-Uと表記される。しかし、ミャンマー人はミヤウと呼んでいる。英語表記が現地の発音と合致していない典型的な例の1つである。ミャウでは15、16世紀中に多くのパゴダが建造され、パガンを除けばこれほどパゴダが点在する遺跡の町も他に類を見ない。シッタウン(8万)パゴダは、その中にあって最大規模のパゴダである。
今回 紹介するのはコウタウン(9万)パゴダ。ミンテッカ王が父王が建造した壮麗な8万パゴダをしのぐ為に、8万より大きい9万パゴダを建造した。いつの世にも、2代目と言うのは辛いもの。良くて当然、常に先代と比較される。また先代を超えたいという思いは、パゴダの大きさとなって現れた。壁のレリーフの仏像、回廊に配置された仏像9万体を擁していただろうが、私が初めてここを訪れた10年前には、地震で崩れ回廊も1部を除いて歩行もままならない有様だった。
しかし、1997年から始まった改修工事で今現在は、建立当時の壮麗な外観や回廊などもほとんど修復が終了していた。王として息子は父王を超えることが出来たのだろうか?