トップスターの死

トップスターの死
ミャンマー芸能界に激震が走った。11日夕方5時半に急死したドゥエイの情報をその日の内に3人から受けた。ガセの噂が多いミャンマーの事本気にしなかったが、3人目は弔問に行った人からの話なので、事実と分かった。多分徹夜でプレスしたのだろう翌日には週刊ミャンマータイムにも、号外で記事が4P特集になっていた。
ドゥエイ(享年 42歳)間違いなくミャンマーのトップスターである。弔問客も夜8時頃にはたくさんの人が詰め掛けていた。ウェルージョー ヤンアウン ルインモウ エンドラジョーズィン どの顔もあまりの急死に、驚きと悲しみと困惑した表情でカメラに収まっている。


ドゥエイは、ターチィ(長男の意味だが、兄貴という感じか?}まさに、男ぽく色気もあり、男から見ても頼れる兄貴だった。理髪店に行けば「ドゥエイにしてくれ」というだけで、彼と同じ髪型にしてくれるくらい男にも女にもこれほど人気のある俳優はいなかったと思う。
1997年からまず間違いなく、男優でトップに立ち、女優のテテモウと共に人気のピーク黄金時代が2003年くらいまで続いた。テテモウは、CM界からも徐々に姿を消し、今はたまにビデオ映画で姿を見る程度まで露出が減っている。彼女の場合は、4度目の結婚生活を中心に据えていると言い訳が出来るが、男はそうも行かないだろう。10年トップ街道を走り続けてきたドゥエイだが、最近は仕事に恵まれていない。
映画館の大看板にその顔を見なくなって久しい。またあるビデオ製作会社と何十本と契約を結んでいるので、その仕事はこなさなくてはならない。最初から25本とか(本数は未確認)契約を結んでいるのだ。しかし、ここに来てドゥエイの人気が落ちてきているので、ビデオは売れない。しかし、彼のギャラは下げられない(ギャラは男優のトップ)その穴埋めは、脇役や相手役が有名でない俳優を使ったり制作費を安く抑えている。そうすると作品はますます面白くなくなり。ますます売れない悪循環に陥ってしまう。
CMも、1時はテテモウ、ルイモウと3人が業界TOP3だった。ここ3年くらいは、CM界も全く様変わりして、若くて新鮮でインパクトのあるイェレーやサインサイン、ネートゥなどの時代で、何よりもギャラが安いので企業も使いやすい。ミャンマーの芸能人は、人気のバロメーターはCMに何本出演しているかで決まるところがある。
アカデミー賞も1回しか受賞していない。人気から云えばNO1なのに、これも運であるだろうが、ライバルのルイモウが3回、後輩の濃い顔のルーミンも、この3月に初めてネーピードウで開催されたアカデミー賞授賞式で、2回目を獲得している。
2001年だったか? テテモウと共演した「2人1つの夢」という映画はドゥエイ生涯のヒット作になるだろう。この映画は大ヒットして、宣伝文句にミャンマー中が泣いたと言われたくらい、多くの人が劇場出てからも泣き続け、それがまた人の噂になり大ヒットになって行った。
しかし、アカデミー賞では、作品賞、主演の女優賞 男優賞全てどういうわけだか全く無視されてしまった。これには、多くの人が疑問を持ったし、彼も憤懣やる形無しだったと思う。
いろいろな悩みやスランプをどう乗り越えて、おじのジョーヘインのようにアカデミー主演男優賞5回受賞のような、大物俳優になってゆくのか期待していただけに、本当に残念なドゥエイの死である。心から冥福を祈りたい。