毎回盛り上がる野外ステージショーです。ミャンマー語は語尾が消える傾向があるので、「ステーショー」と聞こえます。そのステーショーですが、今回の主な出演者は、ハントゥルイン・ALEX・ピューピュージョーテインでした。まず数名の前座歌手のような出演者がステージで歌いますが。有名でもない歌も下手な歌手には「次にゆけ!!」「次にゆけ!!」の大合唱が観客の間から沸き立ちます。けっこうミャンマー人の観客はシビアで容赦無しです。
いよいよ今人気が沸騰しているハントゥルインの登場です。すでに会場は興奮の坩堝(るつぼ)、ディスコ会場に変わってしまい、右隣で、前で、左となりで飛び跳ねる若者に足を踏まれながら、後ろからはペットボトルの殻が飛んできて頭にぶつかるし、いちいち腹立てていたら野外ステーショーを見る資格は無いのでしょうね。
ハントゥルインは、有名なロック歌手のインゴ(日本人の耳にはリンゴと聞こえます。それで彼のサインにはリンゴの絵が描いてあります)の息子です。顔は全く似ていませんが、才能は遺伝したようで、自作の曲も多数ありこれから最も期待できる歌手の1人です。
ALEXは、ここ2年ばかり少し元気がありません。3年前にはシティFMというラジオ番組で年間一番リクエストが多かった歌手に選ばれていたのですが、ここのところ低迷しています。セールスの失敗だと言う人もいます。出演費を高めにしてステーショーから呼ばれなくなって、「欲張って自滅よ!!」と辛らつに批判する人もいます。安売りするのも考え物ですが、ミャンマーのショービジネスの世界も厳しいようです。
ハントゥルインで会場は頂点に達した盛り上がりの後です。ALEXはやりにくかったとは思いますが、そこはベテラン(と言ってもまだまだ若い)ハントゥルインには無い、ステージ・テクニックでだんだん会場を盛り上げてゆきました。
最後に登場したのが、今回のトリの女性歌手ピューピュージョーテインです。毎回ステージでもVCDやDVDでも奇抜でゴージャスな衣装を身に着けます。前にも彼女に関してブログで書いたことがありますが、昼間は女医さんです。カンドージ湖の近所の労働者病院に勤務しています。その時は白衣でノーメイクです。
彼女の発声は、ちょっと宝塚歌劇団の男役のそれで、声質的にはアルトです。衣装やメークも宝塚ぽいので、多分ビデオか何かで宝塚を見たことがあるのでは?と勝手に想像しています。ヒット曲を頭から立て続けに歌ってくれたので、まだまだショーは続きそうでしたが、6時半から立ち続けていたので、9時半の時点で野外ショーの会場を後にしました。
野外のステーショーを見るには、タフな体力がいるのを改めて感じた夜でした。Photo カンドージ湖公園の入り口にある看板です。左からハントゥルイン・ピューピュージョーテイン・ALEX・です。