映画の題名は「天に駆け上り踊りたい」といった意味。主演は今現在ミャンマー映画界の競う相手がいないほどトップ女優のエンドラジョーズィン、男優陣はネートゥ、歌手のトントン同じく今現在人気最高の若手歌手のイェレー。これでお客が入らなければウソである。ヤンゴン市内3つの映画館で同時上映。エンドラジョーズィンは、別の映画館で上映されている、若手でアカデミー俳優のミンモウクン共演の映画も上映中で、彼女の時代を感じさせる。
「天に駆け上り踊りたい」は、4つのコンセプトからなっている。主要なストーリーはこれは、ドイツの児童文学者エーリッヒ・ケストナーの「ふたりのロッテ」の焼き直しといってよいと思う。過去に漫画と宝塚の舞台で見たことがあるが、2人の女の子が夏季学校で偶然に出会い、あまりに2名が似ているし誕生日も同じなのでので双子だと分かる。しかも、1人は母親だけ片方は父親だけの家庭。2人は夏季学校が終了すると、それぞれ入れ替わって家に帰る。そして父親と母親を再び結婚させるために、、、、といったストリー。この映画ではエンドラジョーズィンが双子の姉妹を演じ、父親にネイアウン金持ちの母親をメティンザーウが演じている。
もう1つ流れは日本女優ユミサン(上記に出てくる演技派のミンモウクンとの共演の日本ミャンマー合作の「血の絆」の主演女優麻生あかりさんである。2006年の2月にミャンマー人のミュージシャンと結婚されて、お子さんにも恵まれている。)こちらではユミサンと呼ばれ芸名、それからこの映画の中でもユミサンである。映画の中でトントンとユミサンがマンダレーやミングンなどの景勝地を周るのが、映画の重要な横糸になっている。
3つ目のコンセプトが、ミャンマーの伝統音楽とモダン音楽の融合である。ネートゥ演じる伝統音楽の演奏者と、歌手の自分自身を演じるイェレーが激しくしかし、コミカルにぶつかるのだが、ユミサンが「ミャンマーの伝統音楽と今のミュージックと一緒に演奏できないかしら」という言葉から、ラストシーンは、エンドラジョーズィン演じる双子の姉妹が、1人はイェレー共に歌い踊り、もう1名は伝統舞踏をネートゥが演奏するサインワインの曲にあわせ踊るという、なかなか見所の多い映画に仕上がっている。
4つ目の隠し味なのが、父親の弟がアチャウ(コミカルなオカマキャラ)母親の妹がヤウカシャー(オナベ)という設定で、この2人に恋が芽生えるというハチャメチャな展開が、観客には一番受けていたようだ。
ユミサンが劇中何回も素敵な衣装で画面に出てくるたびに、客席からため息が出ていた。多分出演料より日本製の衣装のほうが絶対に高いと思う。最初の空港のシーン以外は、ユミサンは全てミャンマー語の台詞で健闘されてました。