ミャンマーラウェイ「ＭＹＡＮＭＡＲ　ＪＡＰＡＮ　ＧＯＯＤＷＩＬＬ　ＬＥＴＷＨＡＹ」

８月１３日１４日、ミャンマー日本のラウェイ（キックボクシング）の親善試合が開催された。私は１４日の試合を見て来た。
まず会場が、初めてラウェイ専用のスタジアムが完成した。カンドーヂ湖　東南湖畔。１０数年前から工事が中断したり、草が生い茂って廃墟のような建造物だったのが、６、７年位前に工事が再開し、また中断しを繰り返してやっと完成したスタジアムである。

やっと完成したラウェー専用スタジアム
タイのバンコクも、ムウェタイが大きな観光資源になっているので、ミャンマー・ラウェイも、これから先外国人にもどんどん人気が高まっていってほしい。１３日の結果は、日本人１名が引き分け、もう１人が負けたそうだ。１４日の日本人出場者は、ＳＡＭＵＫＡＷＡ選手と、’ＣＲＡＺＹ８８４選手。

ＳＡＭＵＫＡＷＡ選手と、’ＣＲＡＺＹ８８４選手のポスター
まずミャンマー人の試合が６試合あった。ラウェイの試合は過去に３回ほど見たことあるのだが、タイのムウェタイに比べると、迫力がぜんぜん違う。
３試合に２回くらい選手のダウンがみられて、リング上に医者がすぐさま上がって、応急処置をするくらい強烈な試合が続いたが、今日の試合は２回、リングのロープの外側から、目の傷を医者が見た程度だった。親善試合だから本気度が低いのだろうか？
それとも以前の試合は、実力差のある者の対戦が多かったのだろうか？　今回も最初の試合が一番面白かった。いかにもごろつきの様な面構えの筋肉質の猛者が、韓国俳優のような細身でハンサムなボクサーにぼこぼこにやられてダウンしたのだ。
客席からチップ（報奨金）が、休憩時間に渡されてその金額がアナウンスされる。その額が大きいと会場から大きなどよめきが湧き上がる。
そして、試合が始まると、ビルマの伝統楽器、打楽器の早いリズムとともに、「ヘーイヤー　ハーイイェアー」という掛け声がマイクロホンを通して、会場中に響き渡る。そのリズムに合わせて、ボクサーは足のリズムをとっているようだ。

ファンに囲まれるＣＲＡＺＹ
さて、７試合目に日本人ＣＲＡＺＹ８８４が登場した。対戦者は背は低いがガッチリしたポーケ選手。１,２ラウンドで、ポーケ選手の速攻にＣＲＡＺＹは、全く手が出ない。ボゴボゴにやられて、口の中が切れたのか？　口から真っ赤な血が滴り落ちる。それを手で拭くので顔中真っ赤になりながら、なすすべがない。
３ラウンドでダウンか？　と思っていたら、ようやくポーケの動きが読め出したのか？後半はふらふらしながらも互角に打ちあっていた。
結果は「引き分け」　親善試合なので、引き分けでもカップがある。表彰台に行くまでに、会場中が総立ちになって、ＣＲＡＺＹの健闘をたたえた。もみくちゃになりながら、ふらふらしながら表彰台に上がると、対戦者のポーケが、ＣＲＡＺＹのほほにキスまでしていた。
なんか、ちょっとハタ（コメディアン）ぽいＣＲＡＺＹは、すっかりミャンマー人の心を掴んだようだ。因みにいくらか忘れたが彼にも、ファンから報奨金が出た。

対戦者のソーガマンと寒川
最後の試合は、寒川選手（この字かどうか分からないが）と、ソーガマン選手。寒川は、サムライのような面構え、なかなか見るからに強そうである。対戦者のソーガマンは、小柄だけど全身が筋肉のようで、体にバネがあり、キックもパンチも鋭い。顔も結構いけてるスター選手だ。会場のファンからの報奨金の金額が、他の選手と一桁違う。アナウンスがあるたびに会場が沸いていた。
寒川選手も、ソーガマンのものすごいスピードについて行けない。しかし、あまり打たれない。そのあたりは冷静だった。打たれない代わりに、自分も打てない。背が低い相手に生半可でないスペードのソーガマンを捕らえきれない。ソーガマンのほうも、寒川を攻めきれないまま、５ラウンドが終わった。「引き分け」で、両者ともカップをもらって、無事ミャンマー日本親善試合は終了した。