田舎の結婚式　（1）

元気な村の子供、都会の金持ちの子供はたいてい極端に肥満児が多い、
ここではそんな不健康な肥満児は見なかった。
２０１１年があと１０日ほどで終わろうとしている。１２月１８日の朝５時半出発で、エヤーワディ管区のイェチー迄スタッフの弟の結婚式に参列するために行ってきた。
ヤンゴンに住み着いて１４年間に結婚式に招待されることが多く、多分３０回くらいは出席したと思う。今年は３つ目の結婚式で、１１月６日に同じマンションの車のタイヤ販売会社社長の息子さんの結婚式が、トレーダーズホテルで豪華に執り行われた。
１１月２０日に、やはりうちのスタッフの男子が、タンピューザヤッ（タイ緬鉄道で有名な、モーラミャインの南）で、同業の美容師と結婚し、結婚後はその女性の父親〈ゴム園を経営）がスポンサーで、当地で美容院を２人でやってゆくそうである。

母親の家、竹で出来た家。屋根や壁は５年に１回張りかえるそうだ。涼しい。
そして今回今年３度目の結婚式。１０月に日本に戻って「逆流性食道炎」と「胃潰瘍」の治療を途中でこちらに戻ってきて、加えて風邪をこじらせているので、行くのを迷ったが、田舎のきれいな空気を吸った方が回復に向かうんではないかと、スタッフのサルの運転する車で、サルの奥さんのマ・ユーの弟の結婚式に出席する事にした。

村の橋、この川の橋が天の川のように、花嫁と花婿の村を
つないでいる。川面にたくさんのベーダーパン(ホテイアオイ　浮き草）が咲いていて、川魚を取っている人もいた。
イェチーには初めて行く、ヤンゴンからバテインに向けて２時間くらい走行して、ニャンドンのボンミャトン大橋を過ぎジャウンゴンから北に向かい更に２時間以上で、それほど大きくない町イェチーに到着した。もう少し北に行くとヒンダターという大きな町がある。

父親が売っていたコーンは、このイェチーの名産品のひとつ。ビンロウジュの実を砕いたものや、石灰をこの葉で包み、３つ１００ｋｓくらいで売っている。口の中で長く噛んでいると真っ赤な液になってくる。それをアチコチで吐いて汚いので、タイ国では数十年前に栽培も販売も禁止になっている。
結婚式があるのは、この町から少し離れた村である。マ・ユーはヤンゴンで美容院を経営していてサルともども２６歳、弟は２０歳、姉はイェチーの町で教師をしている。この３人の兄弟の両親は１０数年前に離婚していて、姉夫婦は父親と同居、真ん中のマ・ユーはヤンゴンで暮らし、明日結婚する弟は村で母親と暮らしている。
母親は、近所に７０歳過ぎている両親が健在で、姉妹の家族も近所に３家族ほどあり、村全体が親戚のような集落である。
その村と幅１５メートルくらいの川を挟んだ隣村が、花嫁２１才の村である。到着した１８日の夜それぞれの家で前夜祭があり、村人が集まり、ご馳走を食べ大音響でカラオケに興じていた。
私は、その夜は父親が去年イェチーの街の中心部にこつこつためた金で買った家（３００万ｋｓ　日本円で３０万円　チーク材の大きな柱がある、築５０年の家である。ヤンゴンではこの価格の１０倍でも買えないかもしれない）に泊まった。
病状の事ばかり心配して出発したので、外国人が地方に出るとき忘れてはならない、パスポートを持ってくるのを忘れていた。

ヤンゴンで一人１０数年コーン(噛みタバコ)を販売してためた金で２０１０年に購入した家。築５０年のチーク材の大きな柱があり、家の前の木にリスの親子が住み、家には猫の親子が暮らす。
車で移動していて町ではサテンでコーヒー飲んだだけなのに、どこかで聞いてきたのか、夜　タウンランイェー〈情報局　秘密警察と訳す人もいる）がやってきた。
パスポートやビザのＮＯ，ＦＲＣと呼ばれる外国人居住許可のＮｏ，等も暗記していたので、何とか何とがなったが、これは外国人を厳しく問い詰めるものではなくて、何か問題があったら宿を提供してくれたミャンマー人が責任をとらなくてはならないので、本当に申し訳なく思った。
寝る前に裏庭にあるトイレで用を足して、ふと夜空を仰ぐと、あまりの星空の美しさに、しばし見入ってしまった。
ヤンゴンではとてもこれほど星を見ることは出来ない。地上にあるどんな宝石も、１００万ドルの夜景と呼ばれる人工の夜景も、とてもとてもこれほど美しくはない。
この星空を見ただけでも、イェチー迄来た甲斐があったと思った。